元スーパーマーケットの社員だった鈴木です。
普段何気なくつかっているスーパーマーケットにも種類があることはご存知でしょうか?
スーパーマーケットの種類を知っているとそれだけお得に買物ができるようになるので、是非この機会に覚えてください。
一般的なスーパーマーケットの分類
一般的なスーパーマーケットの分類だと下記のようになっています。
- GMS(General Merchandise Store):総合スーパーマーケット
- SM(Super Market):食品・日用雑貨専門のスーパーマーケット
- SC(Shopping Center):GMS・大型のSMを核店舗と多くの専門店で構成
- SC(Super Center):基本的にはワンフロアで衣食住すべてを扱う店舗
- DS(Discount Store):毎日特売を行っている店舗
- CVS(Convenience Store):営業時間が長く生鮮食品はあまり扱わない
上記以外には下記の小売店もスーパーマーケットとしている場合もあります。
- HC(Home Center):DIY商品をメインに扱うホームセンター
- DS(Drag Store):医薬品や化粧品をメインに扱う小売店
- NS(Net Super):ネットスーパー
- 衣料品スーパー
- 業務用スーパー・問屋スーパー
それぞれについて詳しく解説していきます。
GMS:総合スーパーマーケット
食品や日用雑貨品だけではなく、衣料品や暮らしの品(寝具や家具、食器、家電、文具等)も扱う大型のスーパーマーケットをGMS(General Merchandise Store/ゼネラル マーチャンダイジング ストア)といいます。
イオンやイトーヨーカドー、アピタ等がこれに該当しますが、実際には次に紹介するSM店舗の場合もあるので、店舗名(会社名)だけで判断することは難しくなっています。
一般的には、店長がいて、その下に衣食住の責任者がいて、その責任者の下に各売場の責任者が存在します。
SM:食品・日用雑貨専門のスーパーマーケット
GMSと違い食品と日用雑貨品がメインの店舗をSMといいます。
スーパーマーケットを略した言い方なのですが、スーパーマーケットだけだとGMSも兼ねてしまうため、スーパーマーケット業界に勤める人がGMSと区別するために使う言葉です。
イオングループであればマックスバリュ、セブン&アイグループであればヨークマートやヨークベニマル、ユニー系列であればピアゴなどがSMとなります。
SC:ショッピングセンター
GMSもしくは大型のSMを核店舗(中心となる店舗)として、数多くの専門店で構成される小売店をSC・ショッピングセンターといいます。
イオンモールやイオンタウン、アリオ、ゆめタウン等が全国的には有名だと言えます。
最近では映画館やホテルも兼ねた超大型のSCも登場しています。
SC・スーパーセンター
省略したSCだとショッピングセンターと区別がつかなくなりますが、SCはスーパーセンターの意味として使われることもあります。
基本的にはワンフロアで衣食住の売場すべてがある店舗形態のことです。
GMSと異なるのはGMSは衣食住でそれぞれのレジを用意していますが、スーパーセンターは基本的に衣食住すべてのレジを1箇所に集中させていることが多くなっています。
イオンであれば東北をメインに展開するイオンスーパーセンターがあります。
また首都圏にはありませんがPLANTというチェーン店も有名です。
DS:毎日特売を行っている店舗
DSはDiscount Store(ディスカウント ストア)の略です。
ただしディスカウントストアは食品をメインにしている店舗もあれば、食品以外をメインにしている店舗もあります。
ディスカウントストアを語る上で忘れていけないのがEDLP(Every Day Low Price)戦略です。常に低価格で販売をすることが基本です。
イオングループで言えば、アコレやザ・ビッグ、他にもドン・キホーテやコストコ、OKストアやトライアル、スーパー出玉等があります。
EDLPを行うため、陳列はダンボールや配達時のケースのままであったりすることが多くなっています。
CVS:営業時間が長く生鮮食品はあまり扱わない
CVS、いわゆるコンビニです。
コンビニも最近では生鮮食品を扱うところも増えてきて、ミニスーパーと呼ばれるところと大差が無い状態になっています。
例えば北海道の道北・道東だとスーパーそのものが無い地域もあり普段の買物を生鮮食品も扱うセイコーマートというコンビニでしている人も大勢います。
HC:DIY商品をメインに扱うホームセンター
ホームセンターと言えばDIY商品を中心に扱うところが多いですが、最近だと普通に食品も扱うところが増えており、GMSと似た形態になってきています。
DS:医薬品や化粧品をメインに扱う小売店
ドラッグストアと言えば薬局というイメージを持つ人も多いですが、最近だと食料品・生鮮食品も扱うところが増えてきており、スーパーマーケットとの差がなくなりつつあります。
スーパーマーケットと異なり多様な支払い方法に対応しており、フラッと立ち寄れる便利さもあります。
NS:ネットスーパー
ネットスーパーと言えばイオンやヨーカドーが店舗と一緒に行っているイメージもありますが、最近では一般のお客さんは入れないセンター型のネットスーパーも増えています。
つまりネットスーパーだけのために商品を仕入れて配送を行うということです。
実はイオンでもヨーカドーでもネットスーパーだけを行い一般のお客さんが入れない店舗を運営しています。
衣料品スーパー
スーパーと言えば食品を思い浮かべる人も多いですが、食品だけではなくどんな商品でもセルフサービス形式(お客さんが自分で商品を選べるように値札がついていて、自分でレジに運ぶ方式)であれば、スーパーマーケットとしていました。
ただ時代の流れでセルフサービス方式の店舗が当たり前になり、今ではあえてセルフサービス形式だからスーパーマーケットとは言わなくなりました。
衣料品スーパーは衣料品がメインの小売店で、ユニクロやしまむらが衣料品スーパーと言えます。
元々、イオンは呉服店、ユニー(アピタ)も呉服店、イトーヨーカドーは洋品店からスタートしており、現在も残るスーパーの多くは衣料品の販売から始まっていることが多くなっています。
業務用スーパー・問屋スーパー
一般の人向けではなく、事業(飲食店等)を行う人向けのスーパーを業務用スーパー、問屋スーパーと呼んでいます。
最近は一般の人も利用できる業務用スーパーや問屋スーパーも増えています。というよりも一般の人だと一般人も入れる業務用スーパーや問屋スーパーしか知らないかもしれませんね。
例えばMETROという完全に業者専用の食品スーパーも日本にあります。
参考:METRO公式サイト
経営・展開の規模で見るスーパーマーケットの種類
業態でのスーパーマーケットで見てきましたが、別の角度で見ると経営・展開の規模でスーパーマーケットの種類を見てみましょう。
- 全国展開している大手企業のスーパー
- 地方で展開しているスーパー
- 個人商店に近いスーパー
全国展開している大手企業のスーパー
イオンやヨーカドーのように全国展開している大手企業のスーパーはいくつかあります。
ただ全国展開はしてないものの、西日本で有名な「イズミ」や東海・北陸地方で有名な「アピタ・ピアゴ」も大手企業のスーパーといえます。
特徴としてはプライベートブランド・ストアブランドの構成比を伸ばし、利益率の改善を行おうとしているところが多くなっています。
地方で展開しているスーパー
北海道でいうところのアークスグループ、首都圏のみで展開している「いなげや」
地域でドミナント展開をしてイオンやセブン&アイグループに対抗しようとしている構図がよく見られます。
プライベートブランドを作っているところもありますが、単独で作るのは難しくCGCグループに属しているところが多くあります。
アークスグループもCGCに加盟しています。
最近はイオングループやセブン&アイグループに属して生き残りをかけているスーパーも増えています。
個人商店に近いスーパー
1店舗、多くても数店舗で展開している個人商店に近いスーパーがあります。
全くやる気を感じない、なぜ経営しているんだろう?というところから、独自の仕入れルートを作り、賞味期限は近かったりするものの激安価格で地元の人に愛されている激安スーパーもあります。
規模で見るスーパーマーケット
全国展開、地方でもある程度の規模のスーパーだとクレジットカードを出している(提携カード含む)ところが多くなっています。
イオンであればイオンカード、イトーヨーカドーであればセブンカード・プラス、アピタ・ピアゴであればUCSカード
特徴として月に数回の5%OFFの日を設定してカード会員にクーポン券を発行したりするという共通の販促手段が見えてきます。
少し小さいところになるとクレジットカードは無理だけどポイントカードを作りリピーターを作ることで大手に対抗しようとしています。
中には共通ポイントを導入しているところもあります。
個人商店に近いスーパーだと支払いは現金のみにする代わりに激安で販売するという方法で差別化を行っているところもあります。
それぞれの特徴を見てみるとそれぞれで競合店との戦い方が違うのが見えてきます。
いろいろなスーパーを使い分けることでお得になる
スーパーマーケットの種類を知っても別にお得になる訳では無いと思うかもしれませんが、そんなことはありません。
例えば自宅の近くでイオン、マックスバリュ、ザ・ビッグ、まいばすけっと とイオンのスーパーマーケットがあった場合、使い分けることでお得になります。
価格で言えば
まいばすけっと>イオン>マックスバリュ>ザ・ビッグ
という順になっていることが多く、普段の買物はザ・ビッグがお得ですが、少し変わったものを買いたいという時はイオンでしか販売していない商品もあります。
またここ一番のセールだとイオンが一番安くなることもあります。
普段から安売りをしているDSのザ・ビッグだと破格値となるセールは行いにくいのですが、イオンなら破格値となるセールを行うこともありますから。
主にイオンカード会員向けで行うことが多いですが。
なぜ普段から安いザ・ビッグでは破格値となるセールを行いにくいか?普段の利益率が低いため、それ以上の特売をすると利益が出ないからです。
イオンであれば普段の利益率はザ・ビッグよりもあるので、利益率が一定を上回れば、その分を特売で還元することが可能です。
イオンの例で書きましたが、近所にあるスーパーマーケットの特色を知っていると何をどこで買うべきか?ということがわかってくるので、無駄や損をすることがかなり減らせます。
スーパーマーケット業界への就職を考える場合も
スーパーマーケット業界は不況に強いと聞いたことがある人も多いですよね。
これは当然で、食料品をメインにしたスーパーマーケットは需要が0になることはありえないからです。
旅行業界や百貨店業界は需要が限りなく0に近づくことはありますが、スーパーマーケット業界で需要が半分を切ることはありませんから。
でもスーパーマーケット業界に就職する場合でも自分のしたい仕事が、GMSにあるのか、それともSMなのかSCなのか、知って無ければ意味がありません。
イオンモール(SC)で働きたいのにイオン(GMS)に就職しても意味が無いので、業界を知る上でまずは、スーパーマーケット業界をよく知っておくことをおすすめします。
以上、スーパーマーケットの種類についてでした。
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