最近は自転車に乗る機会が増えた鈴木です。
電車やバスのような車内にいるよりも自転車の方がウイルスの影響を受けにくい分、安心に思うからです。
でも、自転車事故を起こした小学生(当時)の母親に賠償金9500万円の支払い命令という判決が降りたことがあるにも関わらず、自転車に保険をかけている人は稀です。
でもたった年間2200円前後の金額で安心の自転車保険があることはご存知ですか?
それが今回紹介するTSマーク付帯保険です。
意外と簡単にイオン等の自転車売場でも申し込めます。
イオンの自転車売場の責任者もしていたことがあるイオンの社内資格の自転車整備士も持っている管理人がTSマークと自転車の保険について詳しく解説します。
TSマーク付帯保険とは
TSマーク付帯保険とは、自転車購入時や整備時に申込むことができる保険です。
「自転車安全整備士」という資格を持った人が自転車購入時および点検・整備した時に一般の自転車(普通に販売されている自転車)に貼付することができるマーク(シール)で、このマークがついている自転車に対して自転車を運転していた人が事故等を起こした時に、補償をしてくれる保険です。
自転車を整備した際にきちんと整備してあり部品もチェック済みです!という証明書になっている訳です。
補償される期間はTSマークを申し込んでから1年で、1年経過した場合は再び自転車安全整備士のいる自転車店で整備・点検をしてもらい再び貼付してもらうことが必要です。
なおTSマークを取り扱っている自転車店には必ず「自転車安全整備店」の証明書が提示されています。
上記写真の中央の青いマークのある証明書が「自転車安全整備店」の証明書です。
自転車保険加入は義務化されてきている
なおあまり知られていませんが自転車保険は義務化されつつあります。
自治体(都道府県や市区町村)単位で義務化しているところがあったり、加入を努力義務としている自治体もあります。
東京都・埼玉県・神奈川県・静岡県・長野県・滋賀県・京都府・兵庫県・奈良県・大阪府・愛媛県・鹿児島県・仙台市・金沢市・名古屋市・松江市では既に条例で義務化されています。
ただ罰則規定が無いため加入は進んでないのが実情です。一説では自転車保険の加入者は自転車に乗っている人の10%もいないのでないか?と言われています。
でも罰則規定が無いのことと、万が一自転車事故を起こし損賠賠償が裁判で確定した時に損害賠償を支払わいということはイコールではありません。
裁判で数千万円の損害賠償を支払わないといけなくなる可能性は自転車に乗っている以上、いつでもあります。
TSマークの価格と種類
TSマークには2種類あります。
- 第一種TSマーク(青色マーク):補償額最高1000万円
- 第二種TSマーク(赤色マーク):補償額最高1億円
価格(保険料)はお店(自転車店)によって異なりますが概ね下記の通りとなっています。
- 第一種TSマーク(青色マーク):1500~2500円
- 第二種TSマーク(赤色マーク):2000~3000円
金額は販売店によって異なります。
ただし上記金額は購入時であり、1年後の更新時には、自転車の整備・点検が必要なため、整備・点検費用がかかるところもあります。
もちろん部品交換が必要と判断された場合は部品代や交換にかかる整備代が発生します。
金額が異なる理由は整備・点検の費用を購入時にも上乗せしていたりするためです。
町の小さな自転車店だと整備で稼がないと店舗の運営を継続できないので、価格を自由設定にしてあるのは致し方ないことです。
TSマークの補償内容と加入対象・問題点
TSマークの種類によって補償内容は異なります。
項目 | 青色TSマーク | 赤色TSマーク |
---|---|---|
入院保険金 (15日以上) |
一律1万円 | 一律10万円 |
死亡・後遺障害 保険金 |
30万円 | 100万円 |
被害者見舞金 (入院15日以上) |
– | 10万円 |
賠償責任保険金 (死亡及び重度後遺障害) |
1000万円 | 1億円 |
以前は赤色TSマークは最高5000万円でしたが、裁判で9500万円の支払い命令が出たこともあり、2017年10月1日以降に加入した場合は1億円となりました。
TSマークの問題点・店舗によりどちらかのみの取扱
TSマークんは青色TSマークと赤色TSマークがあり、販売している自転車店ではこの2種類のTSマークのうち、どちらか1つしか取り扱うことができません。
つまり選べるのではなく、事前に加入したいTSマークを取り扱っている店舗に確認して入りたい方を取り扱っている店舗で加入するしかありません。
主に大手の自転車店だとイオンバイク(イオンの自転車売場)だと赤色TSマーク、サイクルベースあさひだと青色TSマークを扱っている傾向にあります。
- 赤色TSマーク:イオン(イオンとして統一して赤色)
- 青色TSマーク:あさひ(店舗によって異なり赤色の場合も)
加入者ではなく自転車に付帯される
TSマーク付帯保険はあくまでも自転車に対して付帯する保険であって、人に紐づく保険ではありません。
なので自転車を人に貸して場合、借りて乗っていた人が事故を起こした場合でも保険は適用されます。
自転車安全整備士は割と難しい試験
TSマークを貼付することができる自転車整備士は割と難しい試験です。
受験資格は下記の通り
- 18歳以上
- 自転車の点検及び整備並びに自転車の安全利用に関する指導に関し、2年以上の実務経験があること
つまり自転車店等に勤務して2年以上の実務経験が無いと資格そのものがありません。
試験も筆記・実技・面接とあり合格率は70%前後で推移しています。
自転車店等で2年間働いていても3割もの人が落ちる訳なので、そう簡単な試験では無いことが伺いしれますし、実際に課題となる整備をしたこともありますが、かなり真剣に取り組んでないと合格しません。
自転車屋店で絶対にTSマークがつけれる訳ではない
TSマークはすべての自転車店で貼付してもらえる訳ではありません。
先述した通り、自転車安全整備士の資格を持った人間しか取り付けられないためです。
自転車を販売するのに特に資格は必要ありません。誰でも販売することは可能です。
そのため小さい自転車屋さんやホームセンターや大きなスーパーの自転車売場ではそもそも自転車安全整備士が在籍していないことがあります。
そういうところで購入してもTSマーク付帯保険はつけることが出来ません。
新しく購入する自転車にTSマーク付帯保険をつけたい!
今乗っている自転車にTSマーク付帯保険をつけたい!
という場合は「自転車安全整備店」という店章がある自転車屋さんや自転車売場に持っていかないといけません。
なお「自転車安全整備店」の店章があっても、1人しか在籍していない場合もあり、イオンみたいな365日営業している店舗だと休日で取り付けられない日もあります。
その場合は当日に自転車を持って帰れないのでご注意ください。
事前にいつなら自転車安全整備士がいるか確認してから訪れた方がいいかもしれません。
もっとも購入以外の自転車店で自転車安全整備士に再整備・再点検をしてもらえばTSマークは貼付してもらえますが、点検料等がかかる場合があるので、購入店で取り付けてもらうのがおすすめです。
TSマーク付帯保険ならロードサービス付きの保険もある
TSマーク付帯保険だけでは不安だ!という方は保険会社の多くは自転車の保険も行っていますし、自転車のロードサービス付きの保険を行っているところもあります。
ZuttoRide株式会社という会社が行っている自転車のロードサービス「Cycle Call」というサでは自転車賠償責任保険(最大1億円)もついて年間4300円、月々にすれば360円ほどの負担でより安心です。
地方ともなれば自転車で片道10kmとか普通に通学・通勤をしている人もいますよね。でもパンクしたりチェーンが切れたりして、とても押して帰れない場合ロードサービスがついているので非常に安心です。
同じ会社で自転車の盗難・破損の保険もあるので、高額な自転車を購入した場合は合わせて検討されてみてはいかがでしょうか?
なおともに自転車と個人に対しての保険なので契約者以外だと補償対象外になるので注意してください。
自転車の保険に関するQ&A
自転車の保険やTSマークについて疑問に思うであろうことをQ&A形式で答えていきます。
他の保険でカバーできない?
加入している損害保険でカバーできる可能性はあります。
ただ損害保険の内容は保険に詳しくない人だとどの程度対応してもらえるのかわかりにくいことがあります。
だから損害保険の見直しや生命保険の見直しも含めて、無料の保険相談で確認されるのが一番です。
いろいろな保険に個別に入るよりもまとめて加入することで割引になることもありますから。
無料の保険相談ってどこで受けているの?と思ったら保険マンモス等のFPが無料で相談に載ってくれるサービスがおすすめです。
もっと簡単に入れる自転車保険って無いの?
一番簡単に入れる自転車保険ならクレジットカードの付帯サービスとして行っている自転車保険があります。
例えば楽天カードの「楽天カード超かんたん保険」
月々270円から加入できます。
楽天カードは年会費・発行手数料ともに無料のクレジットカードで、申込みも簡単です。もちろん保険料は楽天カードから自動で支払えます。
楽天カード以外にも自分が持っているクレジットカード会社で行っている場合があるので、確認してみてはいかがでしょうか?
TSマークが盗まれてしまったら?
いたずらでTSマークを剥がされてしまった場合でも、TSマークを貼付してもらった時に自転車店から「TSマーク付帯保険加入書(お客様用)」をもらうので、「TSマーク付帯保険加入書(お客様用)」があれば補償されます。
絶対に無くさず、大切に1年間は保管しておきましょう。
自転車にも保険はつけておこう!
自転車事故でも高額な賠償責任が発生している裁判がいくつもあります。
普通に数千万円の賠償責任が発生しているのがわかりますよね。
もし何も保険に加入してなければ一般家庭なら自己破産しか方法がありません。
最近だとUber Eats等の自転車宅配サービスが増えており、自転車の保険加入はますます増えていきますし、通勤・通学に自転車を使う人も増えていきます。
自転車に乗っている人にとっては他人事では無いので、是非自転車に何も保険をかけていない場合は、できればいますぐにでも補償をつけるようにしてください。
小学生だから、中学生だから、自転車の事故だからと甘く見ていると大変な状況になってしまうこともありえますから。
なおTSマークは会社名・団体名でも登録可能です。UberEatsの配達員は絶対に保険やTSマークはつけておきましょう!
以上、自転車に乗るならTSマーク付帯保険に加入しよう!というお話でした。
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